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AI-OCR活用のすすめ

AI-OCR活用のすすめ

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今だから必要なこと 第18回

最近、入力業務の効率化に向けて、AI-OCRの導入を検討する企業が増えてきています。今回は事例も含めて取り上げて行きます。
文字情報をスキャンすることでデータ化する技術を「OCR(Optical Character Recognition:光学文字認識)」といい、これにAIを搭載したものを「AI-OCR」といいます。
AI-OCRの特徴としては、OCRに比べて読み取り精度が高いことが挙げられます。OCRでは読み取りが困難であったり、時間がかかっていたりしたものでも、AI-OCRではスムーズに読み取れるためコストの削減につながります。

タクシー会社での事例

 日本交通㈱は、タクシーチケットの集計業務にAI-OCRを活用し、作業時間の大幅な削減に成功しています。同社では、タクシーチケットの使用率がキャッシュレス決済のおよそ2割を占め、月間使用枚数は約12万枚にも上っていました。それゆえタクシーチケットの集計業務における負担が課題となっていたのです。タクシーチケット集計の流れとしては、各営業所にてチケットナンバーやコード、金額、経路といった情報を手入力したあと、請求業務を行うビリングセンターへ送付されます。ビリングセンターは、届いたタクシーチケットの仕分け・並び替え作業を行い、請求内容を確認したのち請求を行います。
当初、業務効率化のためにOCRを導入していたものの、読み取り精度が高くなく、手入力と同程度の時間を要していました。そこでAI-OCRを導入し、AIへ学習させたのち運用したところ、手書き文字を高精度で認識させられるようになりました。これにより残業時間をひと月平均で約50時間、各営業所における入力業務をひと月平均で39時間分削減することに成功しています。

注文処理の属人化解消

 岡谷薄板販売㈱は、注文書の読み取りにAI-OCRを活用したことで、作業時間の削減とノウハウの共有を達成しています。電話やFAX、メールといったさまざまな方法で送られてくる注文書は、フォーマットや記入項目、規則などが取引先によって異なります。これらの注文書を処理するには、内容を自社のルールに読み替える作業が必要です。
しかし、読み替え作業を正確に行うためには、ある程度の経験が必要とされ、それゆえに業務が属人化しやすい環境となっていました。AI-OCRを導入したことで、注文書をPDFファイルへと変換し、ファイルをAI-OCRで読み取り、読み替えを行うことが可能となりました。人力で行う作業は、AI-OCRで読み取った結果を確認するだけとなり、属人化の解消につながっています。さらに読み替え後の入力作業の自動化も行った結果、ひと月あたり約33時間の時短を達成したとのことです。

 イデアグループでも記帳代行の効率化を目指してAI-OCRの活用を進めています。また、アンケート集計にも利用して手書き文字の読み取りに効果を発揮しています。
AI-OCRの活用により、新たに生まれた時間を本来やるべきコア業務に時間を使うという、大きなメリットもあります。

大辻 明彦

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